2022年7月9日土曜日

暗殺が世界の歴史を変えたことはない

「暗殺が世界の歴史を変えたことはない」(“Assassination has never changed the history of the world”)というのは、イギリスの政治家であるベンジャミン・ディズレーリが語った言葉として知られていますが、脚本家の三谷幸喜氏が先日の安倍元総理襲撃事件との絡みでディズレーリのこの言葉を引用した上で――三谷氏は『暗殺で歴史は絶対に変わらない』と表現されています――、次のように述べてらっしゃいます

歴史ドラマの脚本を執筆する中で感じたこととして「歴史は1人の人間の思いで動くものではなく、みんなのいろんな思惑や歴史そのもののうねりがあって、時代は先に進んでいく。1人の人をあやめたことで何が変わるのかというと、多分何も変わらないことの方が多い。そう思うと、この暗殺という手段がどれだけばかげているかと改めて感じる」と神妙に語った。

歴史というのは色々な要因が絡み合って形作られていて、1人の人間の暗殺という「偶発事」によっては大勢に影響はないのかもしれません。

ただし、独裁者の暗殺に関しては、話は別のようです。独裁者が暗殺されると、その国がその後に民主主義に移行する可能性が高まるらしい(pdf)のです。暗殺によって「世界」の歴史が変わるかどうかはわかりませんが、「一国」(とりわけ、独裁国家)の歴史が変わる可能性はあるわけですね。

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