カオス本をちびちびと読んでいる最中なのですが、「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こる」だけじゃなく、「釘が抜ければ、国が亡びる」こともあるらしいです。
知らず知らずのうちに世の中に害悪を垂れ流さないためにも、家の中に引きこもっておいた方がよさそうです。
「ある理論家が学生を前にしてよく言ったように、『西欧の科学の基礎をなす考えとは、たとえば諸君が地球上で球突台上の球の運動を説明しようとしているとき、ほかの銀河系のある惑星上で木の葉が1枚舞い落ちたなどということまで、考えに入れる必要はないということだ。つまり非常に微小な影響は無視してもかまわない。ものの働きには【収束現象】というものがあって、或る小さな影響があるからといって、それがふくれあがって多大な影響を及ぼすことにはならない』のである。」( J・グリック(著)/大貫昌子(訳)『カオス――新しい科学をつくる』, pp. 31)
「・・・(略)・・・バタフライ効果は、『初期値に対する鋭敏な依存性』という専門的な名前をもらうことになったが、この性質はまったくの新しい概念ではなく、その証拠に次のような古い民謡などの中に顔を出している。
釘が抜ければ蹄鉄が落ちる
蹄鉄なしでは馬には乗れず
馬がなければ騎兵は征かず
騎兵隊なしでは戦にゃ負ける
負けりゃお国も何もない
科学の場合も人生と同様、一連のできごとの中に小さな変化を大きく拡大するような危機的な点のあることは、よく知られている。カオス(混沌)はそのような危険をはらむ点がその辺にいくらでもあるということを意味するのである。」(同上, pp. 45-46)
0 件のコメント:
コメントを投稿